MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
- 2013.01.27 Sunday
- 23:07
デジタル生産は、これまでのもの作りの経済をひっくり返すものだ。大量生産の場合、コストの大半は機械への初期投資で、商品が複雑になればなるほど、また変更が多ければ多いほど、コストも膨らむ。デジタル生産は、 その逆だ。従来のもの作りではコストのかかるものが、無料になる。
- 多様性はフリーになる ひとつひとつ違うものを作っても、全部同じものを作るのとコストは変わらない。
- 複雑さはフリーになる 手間のかかる小さな部品がたくさんついた、精巧な細工が必要な品物も、3Dプリンタなら、平らなプラスチックの塊と同じコストで作ることができる。コンピュータはただで何でも計算してくれる。
- 柔軟性はフリーになる 生産が始まったあとで商品に変更を加えようと思ったら、指示コードを変えるだけでいい。同じ機械でそれができる。
数世代に一度、製造(マニュファクチャリング)の基本的な手段が根本的に変わる。蒸気、電気、標準化、組み立てライン、リーン生産方式、そしていま、それがロボティクスになった。こうした変化が経営手法から生まれる場合もあるが、本当に力強い変化は新しいツールから生まれる。そして、コンピュータほど強力なツールはない。コンピュータは、近代的な工場を動かすものというより、それ自身が工場となる。どんなものにも無限に応用できる汎用ロボットを組み合わせれば、普遍的な「もの作りの装置(メイキング•マシン)」が生まれる。それは、一マイルの敷地にまたがるテスラの工場から、デスクトップまで、どんな規模でも利用できる。それこそがー最先端のテクノロジーが出現するだけでなく、それが民主化されることがー本当の革命なのだ。
ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛
- 2013.01.12 Saturday
- 19:44
ベゾスはこのとき「後悔最小化理論」を思いついたらしい。年を取って人生をふり返ったとき、どちらの道を選んだほうが後悔しないのかと考えるのだ。
「こういう考えで人生を送る人は少なくないのですが、それに『後悔最小化理論』などと名前を付けてしまうオタクはめったにいません。私くらいかもしれませんね」
結論はこうだった。
「1994年の半ばでウォールストリートの会社を辞め、ボーナスをもらいそこねても、80歳になったとき、それを後悔することは絶対にないと思ったのです。そういうことがあったと覚えてさえいないかもしれません。逆に、このインターネットというもの、燃えるような想いを抱いているものに身を投じなかった場合、あのときやっておけばよかったと心から後悔する可能性があると思いました。トライして失敗しても、それを後悔することがないのもわかっていました」 決死すれば、善は急げである。
「問題に遭遇した場合、我々は、あちらかこちらかという考え方を絶対にしません。両方が得られる方法を見つけるのです。できると信じて努力すれば、どのような箱からでも出られる方法を発明できます」