パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ
- 2012.04.28 Saturday
- 09:31
パブリックな場所で、すべてをさらけ出していれば、完全であることに囚われることもなくなる。完全であることがお約束でなければ、より自由に今までより良いものをつくる機会ができる。終わりがなく、満足せず、パブリックに働くことで、僕らは常に改善を目指すのだ。「最善は善の敵」とヴォルテールは言った。そして最良は改善の敵でもある。完全への追求は、創造を複雑にし、遅らせる。テクノロジーの世界では、この悪しきプロセスを「フィーチャー・クリープ」と呼ぶ---発売前に理想に一歩近づけようと、予定されていなかった機能をつけ足すことだ。その治療法は、ベータ版をパブリックにすることだ。外に出してみて、何が必要かを見ることなのだ。
完全神話は、ビジネス以外でも僕らの生活を支配している。学校では、すべての問題にただひとつの正解があると生徒に教える。そんな問題を集めて試験を行い、試験のために教え、教えたことをオウム返しにすることを求める。僕らはそれを達成と呼ぶ。そうでなく、実験を促し、常識への挑戦を褒め、失敗から学ぶような学校をつくるべきだ。
情報って何だろう (岩波ジュニア新書)
- 2012.04.03 Tuesday
- 23:43
情報は誰かによって作られるものです。ある情報が生まれるには、必ずその観測者が存在しています。また生まれた情報を伝達して流通させるのも人間です。どんな情報にも必ず人間による介在があり、その意味からすると表現者や伝達者の主観性が含まざるを得ないということを、私たちは認識しておかなければなりません。純粋に客観的な情報というのは、存在し得ないのです。
情報が人間によって知覚され生み出されるものだとするならば、必ずそこには何らかの意図が介在しているはずです。意図という言葉が適切でなければ、意思や知識、あるいは観点という言葉でもいいでしょう。