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    思考の整理学

    • 2010.02.24 Wednesday
    • 22:36

    これからの人間は、機械やコンピューターのできない仕事をどれくらい良くできるかによって社会的有用性に違いが出てくることははっきりしている。どういうことが機械にはできないか。それを見極めるには多少の時間を要する。創造性といった抽象的な概念を振り回すだけではしかたがない。

    本当の人間を育てる教ということ自体が、創造的である。教室で教えるだけではない。赤ん坊にものごころをつけるなどというのは、最高度に創造的である。つよいスポーツの選手を育てあげるコーチも創造的でなくてはならない。芸術や学問が創造的であるのはもちろんである。セールスや商売もコンピューターではできないところが多い。その要素が多ければ多いほど創造的であるとしてよい。

    人間らしく生きて行くことは、人間しかできない。という点で、すぐれて創造的、独創的である。コンピューターがあらわれて、これからの人間はどう変化していくであろうか。それを洞察するのは人間でなくてはできない。これこそまさに創造的思考である。

    外山 滋比古
    筑摩書房
    ¥ 546
    (1986-04-24)

    忘却の整理学

    • 2010.02.01 Monday
    • 23:44

    ハイブリッド・カーが新しい考え方に立脚した技術であるように、ハイブリッド人間はこれまではっきりとは存在しなかった新しい人間である。そしてその交換の役を果たす忘却は、これによって新しい意義を認められる。

    人間は、覚え、覚えて走り、考え、考えて走る新しいライフ・スタイルを確立しなくてはならない。そのときの黒子の立役者は忘却である。こうして忘却は古来の偏見から解放されて、新しい文化創造の動力となる。

    忘却は記憶に劣らず、人間の精神活動にとって欠くべからざる作用である。幼少のときにもっとも活発であったのが、文字を知るに及んで、一部が退化し、ときに故障すらおこす。そういう忘却を否定的に考えるようになったことは、人類にとって不幸であった。

    人間が、理知ハイブリッドの生き方をするためには、頭の切り換えが必要で、それを行うのが、忘却である。

    外山滋比古
    筑摩書房
    ¥ 1,260
    (2009-12-12)

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