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    畑村式「わかる」技術

    • 2007.06.27 Wednesday
    • 00:03

    真の科学的理解とは、方程式が解けるとか法則をたくさん覚えているということではありません。要素の摘出と構造化を通じてある事象の因果関係をきちんと理解しているということです。これができている人の頭の中には、その事象に対するモデルがきちんとできあがっています。

    真の科学的理解ができている人は、条件の変化したときでも、その変化が全体としてどのような影響があるかを予測できます。また、条件の変化により新しく出てきた問題点を浮き彫りにして、これに対処する方法を自ら考えることもできるのです。

    生物の保護はなぜ必要か―バイオダイバシティ(生物の多様性)という考え方

    • 2007.06.26 Tuesday
    • 23:56

    世界の生物や生態系を守るために、これまでにもいくつもの条約が結ばれている。絶滅のおそれのある種の国際取引を規制するワシントン条約、湿地の生態系を保全するラムサール条約、価値ある自然遺産を保護する世界遺産条約、国境を越えて移動する種を保護するボン条約などである。

    しかし、このような条約は、特定の生物種や生態系にスポットをあてて保護することが目的である。地球上のすべての生物と生態系をカバーする条約はなかった。

    生物多様性条約は、これまでの条約が対象としている分野を包含し、対象としていなかった部分も含み、地球上のすべての生物の保全のあり方を示す基本的枠組みを示している。

    条文には目標や政策のあり方が示されているだけで、細かい義務規定が書かれているわけではない。各国の政府が具体的に何をするかということは、これからつくられる予定の議定書や政府の判断にゆだねられる。

    生物資源の利用のあり方について述べられていることも特徴的である。将来の世代の利用の可能性を摘みとってしまわないように、持続的に利用するという「保全」の考えが条約の全体につらぬかれている。

    この条約では、生物の多様性の保全は、人類の共通の関心事項であるが、同時に各国の主権のもとで管理されることが確認されている。国家は自国内の生物資源を管理する権利をもつとともに、これを保全する責任と義務も負うのである。

    ウォルター V. リード,藤倉 良,ケントン R. ミラー
    ダイヤモンド社
    ---
    (1994-06)

    国土交通省河川砂防技術基準 同解説・計画編

    • 2007.06.18 Monday
    • 22:36

    動植物の良好な生息・生育環境の保全・復元は、人間の生存の基盤となっている多様な生態系の長期的安定性、生物資源の持続的利用、人と自然との豊かな触れ合いなどの観点から重要である。河川は上流から下流ヘ流下するにつれて、その物理的な形が変化するとともに、その水も流域の様々な影響を受けて変化しながら、やがては河口に至る。河川には、源流部から河口まで、水中、水際、河原などの場所に応じて、土壌、水、日照などの条件が異なる様々な環境が存在し、その環境に応じて、多様な生物群集が生息・生育する。河川が生物群集の多様性を保つ上で重要な役割を果たすことを十分認識し、地域にふさわしい生物群集の良好な生息・生育環境を確保しつつ、川を治め、川のもたらす様々な恵みを利用していくことが必要である。

    そのためには、学術上又は希少性の観点から重要なもの、その川に典型的に見られるもの、その川において特殊な環境とみられるもの等に着目し、現状及び歴史的な経緯並びにその背景等を踏まえ、その川にふさわしい生物群集と生息・生育環境を抽出することが重要である。

    以上の観点を踏まえ、その川にふさわしい生物群集と生息・生育環境を保全・復元し、それらが将来にわたって維持されるよう、河川の整備・管理を行っていくこと重要である。

    田んぼビオトープ入門―豊かな生きものがつくる快適農村環境

    • 2007.06.14 Thursday
    • 21:20

    田んぼを中心に有機的に結ばれた重層的な環境構造は、毎年、イネを作るために維持補修する農家の営みにより、植生環境遷移を阻み、多様な生きものや水生植物、湿地植物の生息環境をつくり出し、長い間維持されてきたのです。田んぼで繁殖、生息する生きものは長年の間、こうした田んぼの環境に適応して暮らしてきました。

    田んぼはなぜ、多くの生きものが集まってくるのでしょうか。一番大きな要因は、温かな栄養に富んだ水が浅く滞水している水辺だということです。熱帯原産のイネを作るために、田んぼでは水を温める工夫や水管理が行われています。しかもイネを育てるために肥料や堆肥が施されるため、田の水は栄養分豊かです。止水しているので、卵や幼生が流されることもありません。栄養豊富で温かな水が溜められた田んぼでは、藻類やミジンコなどの微小なプランクトンが持続的に、しかも大量に発生します。この微小なプランクトンや藻は、水生植物の幼虫や幼体の格好の餌になるため、メダカやドジョウなどの魚類だけでなく幼生時代を水中で過ごすトンボ、カエルやサンショウウオなどの両性類も産卵にやってきます。水深が浅く温かな水環境は、卵が孵化し幼体が育つためには格好の水環境です。田んぼにはイネが植えられ叢生するので、これらの幼体は天敵から身を守ることもできます。また、田んぼにはイネを餌にするウンカやヨコバイなどの「害虫」も餌や産卵場を求めて集まってきます。

    さらには、これらの小さな生きものを餌にする生きものも集まってきます。ゲンゴロウやタイコウチ、コオイムシ、成体になったトンボやカエル、サギやツバメなどの鳥類も集まってきます。

    このように、田んぼには繁殖場や餌場を求めて多様な生きものが集まり、豊かな食物連鎖ができます。田んぼがあることにより、より多様で複雑な生態系が維持され、生物多様性が維持されてきたのです。

    銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

    • 2007.06.11 Monday
    • 23:38
    食料生産の開始時期、伝播上の障壁、そして人口規模といった3つの要因が異なることが、大陸間での技術の発達の違いにどのようにつながるかを考えた場合、事実上、北アフリカをふくむユーラシア大陸は、世界でもっとも大きな陸塊である。競合する社会の数も、世界の大陸のなかでもっとも多い。肥沃三日月地帯と中国という、食料生産の発祥地もユーラシア大陸に位置している。東西方向に横長の大陸であることから、ある地域で取り入れられた発明は、同緯度帯で同じ気候帯に位置する社会に、比較的速い速度で伝播することができた。縦方向(南北)に短く横方向に長いことは、パナマ地峡で東西に狭くなっている南北アメリカ大陸と対照的である。南北アメリカ大陸やアフリカ大陸では、厳しい生態系の障壁が大陸を分断してしまっているが、そのような障壁はユーラシア大陸には存在しない。したがって、ユーラシア大陸には、他の大陸ほど、技術が伝播するうえでの過酷な障壁が地理的にも生態系的にも存在していなかった。こうした3つの要因が作用した結果、旧石器時代以降の技術進歩がユーラシア大陸でもっとも早くはじまり、時間の経過とともに、もっとも多くの技術が蓄積されたのである。

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